
真茶園の創業は、江戸の寛政時代で、以来230年以上を数えます。四代目重兵衛時代には、東海道五三次沿いに「茶店」を出し、たいそうな繁盛ぶりでした。
その後、六代目真一の時に現所在地の茶町に製茶工場を建てます。
茶畑が隣接する地の利と、老舗の製茶伝統技術をもって、全国に「静岡茶」の製造卸し販売を展開してきました。七代目の亡き後、松田家の長男である真彦が八代目として後継します。代々、まじめに商売に取り組んできたものの、けして商才に長けているとは言い難く、「大きくなることより永く続くこと」に価値を重んじています。それは、「大量生産すれば自ずと乱造になり品質が低下する」と代々伝承されてきたからでしよう。
“おいしい料理はその材料の仕入の良し悪しで決まる”は名コックの間で語り継がれてきた格言です。お茶もこれと全く同じことがいえるのです。我々製茶問屋は一次加工品(仕掛り品)である荒茶を仕入して自社製にて二次加工し緑茶となりますが、この時の仕入力量がおいしいお茶になるための最大の条件なのです。
この仕入業務は、4月下旬~5月中旬の新茶期に毎朝3~4時起きをして荒茶の買い付けをすることです。ここでは、一切の妥協もせず、良い荒茶選びに真剣です。良い荒茶が売り切れないために人より早く行動します。或いは、契約茶農家さんから荒茶はこちらの意向を充分に伝え、真茶園に合う荒茶を造って頂いております。このように、仕入れルートは幾つか有りますが、本当に良い茶農家さんが真茶園を支えてくれています。
一概に、「美味しいお茶」と言っても、人さまざまではないでしょうか。だから、美味しさの単純な比較はできませんが、誰もが認める客観的な指標が必要です。それは、「仕入が良いか」に尽きます。どんなに優れた製茶技術でも、元の原料茶(荒茶)が良くなければ、「美味しいお茶」はなりません。「おいしいお茶」には、お茶の仕入の技量が問われると思われます。 お茶の業界に「茶審査技術競技大会」があります。これは、お茶の産地、茶期、品種などを鑑定審査する権威あるコンテスト。真茶園当主の松田は、第41回全国大会で、優勝を修め農林大臣賞を受賞しており、正しく”利き茶日本一”なのです。
それ以前の大会においても、全国大会に出場すれば、必ずベストテンに入っていた松田は実カナンバーワンの茶匠と評され、優勝は必然と言われていました。お茶の鑑定の技が、お茶の仕入技量と直結する。 真茶園の仕入するお茶は、日本一という思いがあるからこそ自信をもって、お客様にお届けできるのです。